幼馴染の彼~あの日の約束~
 寄り道先は軽井沢だった。

 4月といえども、まだ肌寒い。それでも今日は日差しが暖かいせいか、風も気持ちよく感じる。

「懐かしい~!家族旅行以来だよ」

「俺もだよ、変わってないなぁ。観光地だからかな」

 天気も良くて、休日ということもあってか、人で賑わっていた。

 2人で手をつないでその辺をブラブラと散策していると、年代のある教会が見え、鐘が鳴ると教会のドアが開き華やかな人たちが中庭へと出てくる。

「智弥、見て、結婚式!」

 少し離れたところで、結婚式の風景を見ていると、他の観光客も足を止めてみはじめた。

 赤いカーペットにバラの花びらがまかれ、新郎新婦にライスシャワーが浴びせられる。

 白いウェディングドレスに包まれた新婦を新郎が抱き上げた。

 それを見ていた小学生くらいの女の子が

「お姫様抱っこされてる!ママ、お姫様みたいだね!!」

 と、話をしているのが聞こえた。

「怜美もお姫様抱っこされたいだろ?」

 ニヤッと笑う、智弥に

「やだ、恥ずかしいよ・・・って、あれ?」

 何か胸の奥で何かが弾ける感覚が。

「怜美?」
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