となりの弱虫ヒーロー【短編】
転んだ時も、ニンジンが出た時も、ぬいぐるみをなくした時も、君が泣き止むまでただそばにいた。


どう慰めたらいいのかわからなくて、でも君の事がほっておけなくて、だから、ただそばにいた。


君の、泣き止んだ後の笑顔が、たぶんその時からずっと、好きだった。


涙でキラキラ光る大きな目を、キュッと細めて笑う笑顔が。


家がお隣さんだから、毎日のように遊んで、泣いて、笑って。


そんな日常がずっと続くと思っていた。


でも、それを壊したのは君だった。
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