(完)嘘で溢れた恋に涙する
先生が伺うようにこっちに近付いてきて、私と目線を合わせるように前でかがんだ。



「目が覚めたのね。体調はどう?」



その言葉には答えず、私は喉を抑えながら口をパクパクと動かしてみせた。



先生は初めこそ意味がわからないように首を傾げていたが、徐々にその表情は険しいものとなっていく。



「まさか…声」



頷いて見せると、先生は口元を手で覆って目を大きく見開かせた。



だけど、私は同情して欲しいわけじゃない。



私は次のジェスチャーに移った。



片方の指で四角の形を空中にかたどって、もう片方の手の人差し指でその上を文字を書くようにサラサラとなぞってみせた。



先生は今回はすぐに理解して、バッグの中を漁り始めた。



「ああ〜、メモ帳メモ帳…。あ!この前なくなっちゃったんだ…。ごめん、由姫ちゃんスマホでもいい?」



むしろスマホの方が楽じゃないか。



それに気づいた私は頷いて、先生からメモのアプリの開かれたスマホを受け取った。



キーボードをタッチしてシンプルな一文を入力する。


そして、それを先生に見せた。



『私はあの日教室で何をしでかしたんですか?』



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