笑わないシンデレラ
【杏奈side】


バタン。


「どしたの?早瀬。」

私の部屋のドアを閉めると不思議そうな顔をした辻くん。


どうしたのって……
よくそんなこと言えるね。


「だって……私の部屋行きたいって」

「は?まさか、早瀬……俺に襲われるかもって思ってんの?」

「普通そう思うでしょうが。」

「まじで?あははははっ!」


なぜか豪快に笑いだした辻くん。


「何笑ってんの⁉︎」

「いやー。早瀬おもしろいわー。」

「なっ!おもしろいこと言ってるつもりなんて……」

私は言葉を発するのをやめた。
その理由は----

辻くんが優しく私の頭を撫でたから。
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