樫の木の恋(中)
「ところで、秀吉殿は半兵衛と二人きりの時はどうなる?あのままなのか?」
官兵衛が顔を寄せて面白そうに聞いてくる。
そうやって親しく聞かれると、友人が出来たかのような気分になる。
「いや、どちらかと言うと正反対かな。もっと可愛らしい感じ。」
「可愛らしい?顔を赤らめたりとかしなさそうだが。」
「いや、よく顔を赤らめたりする。」
「うわっ想像出来んなぁ。」
ちらっと秀吉殿の方を見ると、そこに秀吉殿はいなかった。どこに言ったのだろうと思っていると、背中に重みを感じた。
そして、それがしの首に腕が回され秀吉殿の体が後ろから乗り掛かる。
「半兵衛ぇ?なんじゃ悪口かぁ?」
秀吉殿は酔っているのだろうか、少し呂律が怪しい。
「悪口なんて言っておりませんよ!半兵衛は秀吉殿が可愛いくてしかたないって言ってたんです。」
「むぅ。半兵衛はそんなことばかり言う。」
酔って熱くなっている秀吉殿が、恥ずかしそうにそれがしの肩に顔を埋める。
酒のせいなのだろう。普段それがしの前以外では、そんな反応などしないのに、少し女子の秀吉殿が出てしまっている。