大好きだった先生は今日も私を起こす

卒業式









最後の登校。




うこと、カズで長い長い坂を登りながら
今日までのことを振り返った。





小学生の頃から同じだったカズとは
今日でお別れだ。



毎日一緒だった私達は、これから会わなくなってしまうのだろうか。



うこは変わらずお仕事の毎日になる、と。
どちらにせよ皆んな忙しくなって、
それぞれの道へ行って、
会わなくなってしまうのかな...






「おー!お前ら、決まってんね!」


そう笑う先生


私は、笑えなかった。





今日、告白をして、サヨナラするんだ。




もう、先生からも卒業なんだね...









「卒業生、退場」


司会者の声で私たちが立つ。





隣のタロウちゃんは、


「お前、強くなったな。」


と、私を泣かせにきていた。






仲の良い後輩や、ひとつ上の卒業生達が私に花束をくれて



「今日まで頑張ったね」


そう言ってくれた。







拍手が響く体育館。



先生と目が合い、


「おめでとう」


口パクでそう言った。







私は、





泣きそうになりながら、最高な笑顔を振りまいた。





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