『いじめられ』る人【短篇】
校長室での会話

〈校長室〉


「大抵は大きな的が存在すると自然と“輪”が生まれ、本能が多数派に所属したがるものです」

「いや、早かったですね。見事でした」

「友達の輪なんて利害が一致すれば案外味方が欲しくなるものです。沢山の……」

「これでとりあえず落ち着きましたよ」

「言っておきますが、一時回復の応急処置ですのであしからず。
長期は受け付けますがオプションとしての延長になりますので……」

「まぁまぁ、その時はその時で……」

「いっそのこと、先生方が的になったらよろしいんじゃないですか?今や、教育で解決するなんて無理でしょうから」

「お厳しいですな」

「では今回はこれで……」





プルル……プルル……



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