ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
言い終えた後しばらく黙っていた部長だったけれど、フッと小さく困った様に笑った。




『参ったね。堂々と言われると思わなかったよ

君も……本気なんだね?』




「…はい」





目を逸らさずにはっきりと返事をした俺に部長も真剣な眼差しを向けてきた。





『さっきの急いでる様子から見て遠藤さんが今日付けで退職したと知っているようだね?

遠藤さん、沢木さんに何処かに誘われてた様だけど、
……たぶんそこへは行かないと思うよ。

沢木さんの話を聞いて顔色が悪くなったんだ。

余裕が無さそうだったから多分、いや遠藤さんなら電話で断りをいれて帰ろうとするんじゃないのかな?

こっちの話したい用件は以上だ』





しばしの間、何が言いたいのか考えた。




そして、はっとして頭を下げる。




「失礼します!」





部長は




部長は俺に由宇さんに気持ちを告げることを了承してくれたんだ。





それが例え、俺が告白したぐらいで二人の仲は揺らがない

そんな余裕からきているものだとしても有り難かった。




由宇さんが何処へ向かおうとしているのかまで教えてくれるなんて、やっぱり
部長は俺なんかよりも出来た大人の男だ。




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