ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
触れた唇は小さく震えてた。




それがかえって頑張ってキスしてくれたと教えてくれてて、どうしようもないくらい愛しさが込み上げる。




由宇さんにもっと触れていたい。




「俺の方が由宇さんをすきなんだって…由宇さんの事どの位好きなのか実感して?」



触れるだけじゃ足りなくて、きつく抱き締めながら由宇さんにキスをした。




腕の中にいるのが由宇さんだと実感しながら、深く…もっと深くとただキスを繰り返す。




『…っ…んっ…』




時おり聞こえる鼻にかかる甘い声も…
しがみついてくる細い腕も…





全てが愛しいーー…






名残惜しさを感じながら少しだけ離した唇と体。




一瞬頬に見えた濡れる雫に由宇さんが泣いていると知った。





「泣いてるのは、何故?」





そっとその涙ににキスをしながら尋ねる。






『苦しくて…あなたを、結城歩が好きすぎて涙が出るのよ』







好きすぎて泣けてくるなんて、これ以上ない極上の口説き文句だよ?






嬉しくて笑みが自然と出てしまう。





由宇さんには敵わないや。



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