* ねぇ教えて *

誰のせい?

頭を整理しよう

私は瀬野君の上司 彼は部下
家に呼ぶ仲でもなければ、抱き合うのは論外
だから この状況は明らかにおかしい
やっぱり おかしいのは瀬野君だ

「乃愛 さっきから心の声が駄々漏れ」

へっ!漏れてた?口に出してた?
なら話は早い

「離して…それにさっきから 名前呼び捨てにしないで」
これ重要でしょ?

「嫌。こうしてくっついたら何が問題?それに 俺前から乃愛って呼びたいって思ってた」

はい?話が全く進まない
噛み合わないにも程がある
どうにかならないのか?

「何で?私彼が居たことないのに
部屋に二人で抱き合うとか信じられないし、これってカレカノみたいな事してる」

泣きそうになりながら
私は瀬野君に訴える

「わかった。今から俺が彼氏。だから乃愛の事いっぱい好きにしてもいい?」

ズルい…
答えられないってわかってる彼は確信犯だ

上目遣いに瀬野君を見たら

「乃愛 返事は目を瞑って答えて」
って言うから素直に目を瞑る

返事をする前に
唇に触れた初めてのキスは
甘い 優しい味がした

「乃愛 好きだよ」

ねぇ教えて…
キスが甘いって事。







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