零度の華 Ⅱ



『何かあったのか』


誰もいない牢屋の中で大きな独り言を喋る


それを拾うかのように、天井に仕掛けられたスピーカーによって鷹見の声が聞こえる



「何故そう思う」


『明らかにお前達の行動や雰囲気が違うから』


「そうか。別に何もない。皆、捜査があるから疲労が溜まっているだけだ」




苦し紛れの言い訳にしか聞こえない

反応から推測すると亜紀が動いたか



零(ゼロ)が現れて殺しをすれば挙動不審なのも頷ける



『なぁ、聞いていいか?』


「何だ?」


『あたしが監禁されてから零(ゼロ)は現れた?』


「いや、現れていない。零(ゼロ)による殺しは起こってねぇよ」


『......そうか』




あたしは項垂れるように顔を伏せた

カメラには悲しんでいるように見えるはずだ





でも、実際あたしはニヤケを隠しているだけ


.........これで確信した



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