零度の華 Ⅱ
コンコンコン
「__最強の矛」
「最弱の盾」
「名はなんと言う」
「名はない」
ドアを開けた緑はあたし達を見向きもせずに定位置につく
相変わらず冷めた奴だ
「金」
『はぁ。はいはい』
あたしは緑の前まで来ると、持ってきたアタッシュケースを机の上に置く
緑はアタッシュケースの中身を見て、一束を手に持ちお札をパラパラと弾いて見せる
「1000万、入っているんだろうな」
『勿論だ。それで情報は?』
アタッシュケースを閉めると、自分の後ろの方に置いてしっかりとあたしを見て緑は口を開けた
「プログレスという奴の情報は全くない」
『ハッキング以外でも、ということか?』
「あぁ。隠しているというよりは存在しないに近いな」
存在しない......か
面倒だな
情報が出ないだけならまだ良かったが
「すれ違っているがソイツがプログレスか分からないということもあるが、もしかしたら......。裏の人間じゃなく、表の人間かもしれねーぞ」
揺さぶりをあたしにかけている人間、か
あたしが勝負に乗ると分かって仕掛けてきたことになる