永遠の夢

うざい奴

「さぁーらちゃんッ 遊ぼッ」
「うんッ 遊ぼッ」
小学校3年生まであたしと仲良くしてくれていた美羽ちゃん。可愛くてすっごいいい子だった。
でも、
「美羽何でそんなこと仲良くしてんの?早く向こういこ」
「えッ…沙羅ちゃん…」
あたしはクラスの中心の子から嫌われていた。
あの頃はおとなしくて、自分の意見を何も言えなかったあたしは、完璧にクラスから浮いていた。
そんなとき、あたしに好きな人ができた。
何でも完璧な超美少年。
相当モテるくせに女子嫌い。
叶うはずのなかった恋だったけど、あたしはその年のバレンタインに、彼にチョコレートをわたしてしまった。
それも、友達伝いに。
美羽ちゃんとは違うクラス。
そのクラスにあたしをよく思っている子なんてほぼいないから、バレンタインをわたした当日にクラス全員に噂がまわった。


「おいかっちゃん、あいつからチョコもらったんだろ?どぉすんだょ〜」
面白がりながら冷やかしてくる男子に彼は一言
「うぜぇょ。っつかキモイから」
と言った。
この日からあたしは彼のなかでうざい奴になったんだ…。
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