ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。
客観的に見て、一勝もできないチームが甲子園に行けるわけがないかもしれない。
でも……。


「私は霧島くんを信じてます。彼は、必ず私を甲子園に連れていってくれます」


私はきっぱりと言い切った。


「そっか。やっぱり桜花に欲しいな。そんなに選手を信じてくれるマネージャーがいたら心強い」

「いえ……。それじゃあ」


私は曖昧に笑って、彼から離れた。

私が大河に抱いている感情は、マネージャーとしてだけではないからだ。


——カキーン。

球場を出たとき金属音が耳に届き、「回れ、回れ」という大きな声が聞こえてきた。

どちらかのチームがヒットを打ったに違いない。


勝負だから、勝つチームがあれば必ず負けるチームもある。

甲子園に行けるのは、勝ち続けたただ一校のみ。
それ以外のチームは負けだ。

過酷すぎる条件だけど……必死にその切符を目指して頑張る以外に道はない。

いつか旭日にもたくさんの金属音が響くことを信じたかった。
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