彼女が消えるその瞬間まで
姫百合の顔を見ると、あの時病室で泣いてくれた彼女を思い出す。



『辛かったんだね』と俺の手を強く握りしめて、病院のベッドを濡らしていく彼女の姿を。



いつも元気で明るくて、笑顔が絶えない彼女のあんな姿は印象に残った。




彼女でも、あんな顔をするんだ。と思ったくらいだ。






あれは、嬉しかったかな………






「ねぇ、翼くん!楽しんでないのあなただけだよ?文化祭…楽しみでしょ!」



「そうだぜ、翼。辛気臭い面しやがって!」



盛り上がりの原点の2人が俺にしつこく絡んでくる。


しかもバカにしやがって…!





前言撤回。

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