彼女が消えるその瞬間まで
だいぶ長い時間、車に揺られていた。



気がつくと、家に着いていた。2年ぶりに見る実家は全く変わっていなかった。





如月ー…




表札をじっと見つめる。本当に帰ってきたんだ。




「あなた!翼!」




父さんがインターホンを鳴らすと、母さんが泣きながら父さんに飛びついた。



俺の父さんと母さんはすごく仲がいい。今でも、2人でどこかへ出かけるぐらいだ。

喧嘩しているところなんて、生まれてこの方一度も見たことがない。




ちなみに翼とは俺のことだ。俺は、如月 翼と言う。




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