直感的結婚~恋はこれから~
そういうこともあり、勝手に準備が出来ないから彼の帰りを待っていた。

泰士さんに好きだと伝えてから、関係が変わるかと思ったが、それほど変わってはいない。

彼は相変わらず帰りが遅いから仕方がないのかもしれないけれど、少し寂しい。

唯一変わったことといえば、私がリビングで彼の帰りを待つようになったことだ。待っていても帰ってくるとすぐ「おやすみ」と言われてしまい、彼がお風呂に入っているうちに私はベッドに転がるけれど。


「ただいま」

「おかえりなさい。明日持っていく物を私のは詰めたんだけど、泰士さんのが分からなくて」

「ああ、俺のは自分で詰めるから気にしなくていいよ。風呂出たらやるから」

「あ、私も一緒にやらせてもらってもいいですか? 手伝わせて」


私の申し出が予想外だったのか泰士さんは珍しくポカンとした顔をする。しかし、こんな顔でもかっこいい。


「そうか、考えもしなかった。今まで自分で詰めていたから、それが当たり前だと思ってた。でも、今は美琴がいるんだものね。じゃ、今からやるかな」

「はい、やりましょう!」
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