直感的結婚～恋はこれから～
「美琴、おはよう」

「おはようございます。良い天気ですよ」

「ん？ あー、本当だね。美琴の普段の行いがいいからだね」

「私？ そんないいことなんて何もしていないですよ」


窓から空を見上げた泰士さんは緩んだ表情でこちらに振り向いた。彼のバックに広がる青空が本当にきれいで、そこだけがドラマとか映画で見るワンシーンのように見えた。

私みたいな平凡な容姿の女が妻で不釣り合いなのではないかと何度も思ったことをまた思ってしまう。


「すぐご飯にしますね！」

「うん、ありがとう。じゃあ、その間に着替えてくるね」


パジャマの上を脱ぎながら歩いていく泰士さんを見て、私は赤面した。今までリビングで脱ぐことはしなかったのに、休日だから無防備になってしまったのか……だからといって私は何を直視しているのよ。

見ていることに気付かれないよう慌てて逸らした。

それにしても引き締まった体だったな。


「あー、もう！ 何を考えているのよ……」


一人で焦る私は、脳裏に焼きついてしまった姿を消そうと空中を手で仰いだ。
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