直感的結婚~恋はこれから~
ここの会社の人ではない私は何もすることがなく、ゆっくりとコーヒーを飲むしかない。淹れてもらって文句は言えないけど、コーヒーは苦手なので砂糖とミルクをたっぷりと入れた。

甘くて美味しい。

カップを両手で包み込み、天井を見上げる。ここまで着いてきてしまったけど、よく分からない人と結婚は出来ない。ちゃんと断って、それから頼んでみよう。

ここで働かせてくれませんか?と。

働く場所が見つかれば、アパートが借りれる。そうしたら、住むところにも困らない。真っ暗だった未来に光が入ってくる。

途方にくれている場合ではない。いざ実行だ。

奥の部屋に入った彼を待つこと1時間。先に客二人が出てきた。


「ありがとうございました。これからもよろしくお願いします」

「こちらこそ」


商談成功といったところだろうか、みんな穏やかな笑顔だ。客が出ていって、ドアがピタリと閉じられると「ごめんね」という謝罪の言葉と共に彼が近づいてきた。


「いえ、あの、私……」

「こっちに来て。あ、社長も」
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