直感的結婚~恋はこれから~
決めていたことがいざとなると口から出てこないでいると、手首を捕まれて奥の部屋へと引っ張られる。


社長と呼ばれた人も一緒だ。

でも、この人が社長? 突然の結婚する宣言に驚いていた人だ。年令は二人同じくらいのようだけど、社長と専務?

コーヒーを淹れてくれた女性が素早くテーブルの上にあったカップを片付けて、今度は緑茶を淹れて持ってきた。

この部屋は応接室ではなく小さな会議室という感じだ。

私は彼と並んで座り、目の前に社長だと言う人が座った。


「で、どこで拾ってきた? いきなり結婚は冗談だろ? 何が目的なの?」

「冗談ではない。目的は結婚することだけ」

「なんでまた?」

「俺の直感で結婚する人だと思った」


社長は呆れた顔をして、盛大なため息をつく。私も同様にため息をつきたい。

直感で決めるとかあり得ない。


「泰士の直感はわりと信用できるものだけど、こういうのは慎重に考えた方がよくない? 結婚は一生のことだよ?」

「どう考えても出す答えは一つなんだから、早く決めた方が時間の無駄にならなくていい」

「効率で決めるもんじゃないと思うよ。ねえ?」

「はい、私もそう思います」
< 9 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop