キミを奪いたい


「……ハッ。そんだけ敵対心剥き出しにされたら殺りたくなくても殺りたくなってくるな」



沈黙を破ったのは、苦笑混じりで放たれた雷神の総長の言葉だった。


その言葉に、緋月の殺気がより一層強くなったのを感じた。




やっぱり喧嘩を売りに来たの?


掴めない笑顔に、どうやっても殺気を抑えることができない緋月のメンバーたち。


その殺気を静かに鎮めたのは、彼らのトップである侑真だった。




「────喧嘩なら買うが?」




普段の侑真からは正反対とも言える、低く殺気立った声。


味方にも関わらず、ひんやりとしたものが背中を伝っていく。




「個人的には喧嘩してぇ所だけどな。今日は緋月に一つ提案しに来たんだよ」

「……提案?」



この場に似つかわしくないその言葉に、侑真の声色に不信感が入り混じる。

< 168 / 476 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop