キミを奪いたい
「まぁ、それは相手の出方次第だな」
出方次第……
それって争う可能性があるってことだよね。
そもそも、緋月はZeusと雷神の争いごとに巻き込まれる必要はないのに、
手を組まないってだけで逆恨みされるなんて理不尽だ。
「ぶっちゃけ、雷神と手を組んだ方がチームにとっては良かったんだよ」
「瑠衣!」
それ以上言うなとばかりに瑠衣を呼ぶ颯太。
「なんだよ。ほんとのことじゃねーか」
そんな颯太を失笑気味に一蹴した瑠衣は、ソファー背もたれから体を起こして前のめりに私を見てきた。
「……」
私は三人がけソファーで、瑠衣はL字ソファーの私寄り。
斜め前にいる瑠衣はジッと私の目を見て言い放った。
「侑真はお前のために断ったんだよ」