キミを奪いたい



瑠衣はまだ、私がリョウと付き合ってたことを受け入れられていないのかもしれない。


別れたと言っても、敵対しているチームのトップと付き合ってたんだ。複雑な気持ちなのは仕方ない。


私だって、もし瑠衣が雷神の姫と付き合っていたって聞いたら、どう反応したらいいのか分からないし。




「────だけど一つ、あやのに言っておきたいことがある」

「……うん」



真剣な面持ちで私を見据える侑真に少し姿勢を正す。



「緋月からは手を出すつもりはない」

「……うん」



“誰に”なんて、聞かなくても分かる。



「けど、向こうから出してきたら──」

「うん、分かってるよ」



続きを遮って強く頷いた私に、侑真も頷き返してくれた。




私だって緋月メンバーの一人だ。

緋月が大事。


だから、Zeusから手を出してきたら侑真たちを止めることなんて出来ない。



「その時は、私のことなんて考えないで緋月のことだけ考えて」




侑真は私のために緋月からは手を出さないと言ってくれた。それだけで十分。


これ以上私の気持ちを優先してなんて、言えないよ。

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