キミを奪いたい


「……みんな、心配かけてごめんね。

迎えに来てくれてありがとう」



必死な顔で駆け寄ってきたみんなに、心から謝罪とお礼の言葉を伝える。

そして、小さく微笑むと、みんなは安心したのか、ホッと表情が和らいで笑い返してくれた。



「あやの、帰ろう」

「う、うん」



侑真が手を伸ばしてくれるけど、リョウに抱っこされている手前、何だか行きにくい。


チラッとリョウを見れば、私の視線を感じたのかリョウが振り向いてきた。


けど、何も言わなくて。


どうしようと悩んでいたら、侑真に腕を引かれて体が傾いた。

変な体勢になったことで、自然と離してくれたリョウ。

もう少しで落ちそうになったけど、すぐ傍にいたなっちゃんが支えてくれて、無事侑真の腕の中に収まることが出来た。
< 342 / 476 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop