実は人じゃないんです
ナースコールを押し

「ヒナタが目を覚ましました」
と言えば数分で駆けつけるナース達

「ヒナタちゃん…」
中には心から喜んでくれる人もいた






少しずつヒナタは回復していき
寝たきりで動かなくなった筋肉をどうにかしようとリハビリも積極的に取り組む

俺はその様子を毎日のぞきに行った


「あ、アオイ!」

ヒナタは車椅子に座りながら満面の笑みで手を振って笑う

両親との仲は
まだなにも解決してはいないらしいけど



「ヒナタ。好きだよ」
俺がそう言うと
顔を赤くしてヒナタは微笑んだ

「私もアオイが好きだよ」


偶然から始まった恋は
それも運命だと思うことにしよう

俺は密かにそう思うことにした




そうだや
歩けるようになったら
一緒にどこか行こうか

近くの公園でもいいから。

そこでバレーでもして遊ぼう
毎日2人で笑おう

辛い時は一緒に泣こう



俺たちはそうやって


支え合って


お互いに
もたれかかって

毎日を一生懸命に生きていこう
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