午前0時のシンデレラ

週末に、彼女と会う約束を取り付けて、仕事をこなしていく。

ただ週末が訪れるのが待ち遠しくて、単調にも感じ始めていた日常さえも充たされて感じられるようだった。

「……最近の社長は、どこか楽しそうですね?」

永井秘書に、そう声をかけられる。

「ああ…まぁな…」

「……良いことがおありだったんですね」

微笑を作るのに、「そうだな…」と、笑顔を返す。

「……いい笑顔をされるようになって、以前の眉間にしわを寄せてばかりいられた頃が嘘のようです」

「……ありがとう」

目の前の秘書へ、そうして彼女にも伝える想いで呟いた。

……彼女の存在が、俺に充実した気持ちを取り戻させてくれた。

その気持ちには、ただ感謝しかなかった……。


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