午前0時のシンデレラ

……目を覚まして、見ていた夢にふと寂しくもなって伸ばした手に、彼女の身体が触れた。

「…あ…ずっと見ていたのか…?」

傍らで微笑んでいた彼女に、顔が赤くなるのを感じて、照れながら口にした。

「……よく眠っていられたから、お疲れなのかとも思って……」

「あ、ああ……」

寝顔を見られていたことが、急に恥ずかしくもなる。

視線をそらして空を見上げると、そろそろ日が暮れそうな頃にもなっていて、

「もう帰ろうか?」

尋ねると、彼女は頷いたーー。



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