午前0時のシンデレラ

サンドイッチを食べ終わって、

「…こっち、来いよ…」

背中に腕をまわして、身体を抱えた。胸の中に抱え込んで、

「……このまま、少し眠ろう」

頬を付けると、鼻先に彼女の香りがした。

いつも嗅いでいたきつい香水ではない、癒されるような優しい香りに、自然に目が閉じる。

「……おやすみなさい」

耳に、微かに彼女の声が聞こえた……。

……まどろみの中、ガラスの靴ならぬ折れたハイヒールを手に、シンデレラを探し回る自分がいた。

王子は、どんな想いでシンデレラを探していたんだろうとも思う。

もしシンデレラが見つからなかったら……いや例え見つかったとしても断られたりしたら、どれほどの寂寥感を背負ったんだろう……。

そう思ったら、不意に寂しくも感じて、目を開けたーー。



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