午前0時のシンデレラ

ひとり風呂に浸かりながら、(来るわけないよなぁ…彼女は)と、思っていた。

あんなに恥ずかしそうにもしていたし、貸切の他にも風呂はあるしな……。

だが、どうせなら一緒に入りたかったとも感じた。

無理だとはわかっていても、期待はしてしまうもんだよな……。

ぼんやりとそんな風にも考えていると、不意に引き戸が開いた。

まさか……とも思って見ると、タオルを巻いた彼女の姿があった。

「…嘘だろ?……来てくれたのか?」

来てほしいと思っていたのに、いざ現れると、自分の方が動揺を隠せなかった。


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