午前0時のシンデレラ

「…ど、どうして来たんだ?」

照れがピークに達して、声を詰まらせる。

「……せっかく、2人っきりでの旅行だからと思って……」

浴槽に近づいてくるのに、思わず後ずさる。

「あの…あんまりそばには寄らないでくださいね…」

お湯に入った彼女が、恥ずかしそうにも言う。

「…ああ、うん…」

こっちだって目も合わせられないのに、近寄ることなんてできそうにもなかった。


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