午前0時のシンデレラ
遠くを見るように少し背伸びをして、
「あ、あそこにコンビニがあります」
口にするのに視線を向けると、道の先に明りが灯っているのが見えた。
「……コンビニでもいいのか?」
「他にお店もあまりないみたいなので、そこで何か買うのでも」
「そうか…」また歩き出しながら、
「……俺が、寝過ぎたよな…」
言うと、
「いいえ」と、彼女は首を横に振って、
「……ちゃんと眠らないで、身体を悪くされる方が、もっと心配ですから……」
と、繋いでいる俺の手をキュッと握った。