喫茶リリィで癒しの時間を。
氷だけになったグラスを片づけながら、感じたことをそのまま話してみる。もし友達に聞かれていたら、間違いなくからかわれそうな台詞だ。
自分でもこんなクサイ言葉を口にしてしまうなんて思わなかった。
「――人と人を繋ぐ場所、それが私の目指す喫茶店なのかもしれません」
さゆりさんの言葉は、心にまっすぐに響いた。
人と人を繋ぐ場所、か。
すべての喫茶店がそうであるわけじゃない。むしろ、喫茶リリィのような店は数少ないと思う。
たいていの人が知り合いと会話を楽しむため、あるいは一人で仕事や勉強、読書をするために喫茶店を利用するだろう。
知らない人や店員と関わりを持ちたいなんて求めていないと思う。
それでもさゆりさんは、喫茶リリィを“人と人を繋ぐ場所”にしたいのだと思う。
そして俺は、そんな彼女の夢を応援したいし、彼女の喫茶店に出会えてよかったと心から感じている。