年下属性はありません!
ファミレスデート
月曜日,出社すると高山先生が,すぐに謝ってくれた。

「木村先生,昨日は突然キャンセルしてすみませんでした!」

「いえいえ,お気になさらないでください。何かあったのですか?体調不良?」

「いえ,今元主任には言ってないのですが,実は・・・・」

金曜日,私が休みのときにドンペリが教室に来て仕事をしていたらしい。

自習室には,中三の基礎クラスの女子が数人来て,自習をしていた。

その中に,蘭(ラン)ちゃんも含まれていた。

蘭ちゃんは,すごくかわいいくて,スタイルも私よりよっぽど女性的。

服装もいつもおしゃれで,女子グループの中心的存在だ。

ただ,ご両親も蘭ちゃんがかわいいのだろう,かなり甘やかしているようで,何かあると塾にすぐクレームが入るため,こちらとしても細心の注意を払っている。

そんな蘭ちゃんがドンペリに興味を持ったらしく,「ここ,分からないので教えてください」と近づいたらしい。

ドンペリは講師ではなく,本部からの視察として教室に来ているが,生徒からすればそんな区別はつかない。

中学生の勉強だし教えてあげればよいものを,冷たく突き放したらしい(蘭ちゃんいわく)。

それが,ご両親の耳に入り,日曜日,塾長にクレームが入ったとのことだ。

「高いお金を払って塾に入れているのに,教えてくれないなんてどういうこと!?」

すぐに高山先生は休日返上して,菓子折りを持って謝りに行ったらしいが,なかなか納得してもらえず飲み会には間に合わなかったとのことだ。

蘭ちゃん親子が,クレーマーというのもあるが,ドンペリ,あんたが原因だったのか・・・
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