人間発注書
バインダー
「お先でーす」


俺はアルバイト仲間にそう声をかけてカウンター内から事務所へと移動した。


白いドアを開けて中へ入ると、6畳ほどのスペースにパソコンが1台。


店長とオーナーのデスクがそれぞれ1つずつ。


そして従業員の休憩する椅子とテーブル、着替えをするロッカーまでもが詰め込まれている。


それでもさほど狭さを感じないのは、すべてが壁にピッタリとくっつけられていて、中央が綺麗に空いているせいだろう。


俺はロッカーの前に立つと男子用のロッカーを開けた。


自分の身長ほどあるそれは男女別で別れているだけで、後はいっしょくただ。


着替え用に設置されているカーテンを閉める事もなく、俺はグリーンの制服を脱いだ。


コンビニは基本2人態勢だ。


今レジに2人のバイトさんが出ているから、帰るのは俺1人。


特に男の俺は着替えを気兼ねなくすることができる。


手早くTシャツに着替えて鞄を掴み、ロッカーのドアを閉めた。


その時力が入り過ぎてしまったようで、ロッカーがバンッと大きな音を立てた。
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