人間発注書
☆☆☆

夢を見ていた。


俺と伸紀とミホコと瑠菜。


4人で笑っている。


面識のないはずの伸紀と瑠菜も楽しげな会話をしては笑っていた。


その中に新人の姿がない事に少しの寂しさを感じたけれど、それはすぐに笑いの渦にかき消されてしまった。


幸せな時間だった。


みんな一緒で、みんな楽しくて、幸せで。


けれど、夢を見ながらこれが自分の願望に過ぎないと気が付いてしまった。


こうなればいいと言う強い思いが夢を見させているのだ。


そう気が付いた瞬間、みんなの顔が歪んで見えた。


待ってくれ。


まだ行かないで。


まだこの世界にいたいんだ。
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