誘拐犯との危ない恋
その後、刑事と亜弥の家族が病院に到達した。
医師と刑事とお父さんが部屋の外で何やら話をしている。
「亜弥……?……」
お母さんが優しい声で呼び、亜弥の肩に手を置いた。
「お母さん……」
亜弥は震えた声を出した。
「何も言わなくてイイのょ……
ゴメンね、辛い思いをさせて………
今日のところは帰りましょ……」
お母さんは亜弥に微笑みかけた。
「ヤダ
私、昇と離れたくナィ」
亜弥は大声で叫んだ。
「亜弥来なさい」
話を終えたお父さんが亜弥の腕を掴んだ。
亜弥は振り払おうとしたが何故か力が入らず振り払えなかった。
亜弥はそのまま腕を引かれ、病院を出て車に乗せられた。
その間、亜弥はずっと
「昇…昇…」
と、呟いていた。