誘拐犯との危ない恋
「おぃおぃ…
そんな声出して
どぅしたんだ??」
昇は笑いながら玄関に歩いて行った。
玄関に着き、昇はその光景を見て呆然とした。
制服を着た警官数人が亜弥の腕を引っ張っていた。
亜弥はくつ箱を片手で掴みその場に止まっていた。
亜弥は昇の存在に気付き叫んだ。
「昇助けて」
昇はその声で我に戻り
急いで亜弥の腕を引いた。
警官の手が亜弥の腕から離れたのを見計らって
玄関のドアを閉め、
鍵を締めた。
「開けなさい」
警官はドアを叩いている。
息を切らしながら座っている亜弥の肩を昇は思いっきり掴んだ。
「あいつラ、一体何なんだよ」
「ハァ、ハァ、けーさつ…」
亜弥の肩は少し震えていた。
「はぁ警察
何で警察がいんだよ」
「まゆが言ったの…
まゆが……」
亜弥は混乱していた。
「わかった。
まず部屋に戻るぞ」
昇は亜弥の腕を引き
2階へ向かった。