晴れのち曇り ときどき溺愛
 四半期決算も終わり、最高潮にざわついていた営業部も次第に落ち着き始めている。目標に必達と主任の言葉に必死に数字を追う日々がやっと終わったばかりだが、前期の残務整理をしながら来季の目標についての会議も行われ始めていた。
 
 私の勤める会社では男女雇用均等法が施行され、女性にも総合職への道が開かれている。先進的な代表取締役が女性にも一斉に活躍の門戸を開いて数年が経ち、総合職キャリアの道を進んでいた。

 総合職の私のパソコンには会議と稟議書、そして、報告書で溢れている。

 梅雨独特の湿度が高い季節は疲れが溜まりやすく。前期の疲れと今期の数字に対するプレッシャーで必要以上に疲れていた。

「ああ。疲れた」

 呟きを零しながら今期の見込みとなる稟議書を見直していた。芳しくないというのが現実で、溜め息が溢れる。私はデザイン広告の営業をしていて、クライアントの意向で四苦八苦している。成績は飛び抜けていいとは言えないが、それでも男性の中でも遜色ない成績を出していた。


 特に前期は見込みが良かったのか、私の思う形で成績を残すことが出来たけど、見込みを全部を一気に吐き出した私は今期の営業報告で迷っていた。

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