晴れのち曇り ときどき溺愛
 営業室に戻ると誰も居なかった。下坂さんもどこかに出かけたようだった。


 私はパソコンの電源を入れると午前中に出来た分のファイルをプリントアウトすることにした。確かめたところ、専門用語の不備はなかったので出来た分をUSBに保存して、ファイルは共有ファイルに入れる。印刷するのには時間は掛からないしプリントアウトしながらファイリングも出来た。

 出来上がった資料はパラパラと捲ってみても意味の分からない専門用語が羅列してある。分からないことの多さに辟易しながらも最後まで読んでみた。ファイリングまで終わったので次は資料室にいくことにした。


 資料室に入ると目の前にスチールの棚には段ボールが並んでいる。でも、予想と違ったのは無造作に積まれているだけでもなく、適当に詰められたわけでもなかった。

 パソコンで資料の一元管理まではされてないものの、段ボールにはバーコードシールが貼られてあった。将来的にはパソコンで検索も出来るようになるのだろう。


「梨佳?」


 段ボールの棚の隙間から聞こえたのは聞き慣れた声で足音と共に姿を現したのは琉生だった。余程暑いのか、スーツの上着は脱ぎ、ネクタイも外していた。
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