魅惑への助走
「はい、あのですね……」
今週中に新作のロケを控えているけれど、同時進行で後日発売作の構想も今のうちに練っている。
「一流商社OLのマユミは連日連夜の激務に追われ、職場と自宅との往復で恋愛ともご無沙汰。そんなある夜、接待飲み会の帰り道に年下のウブな若者を拾い……」
「ワカバは年上のエリートサラリーマンに二股を掛けられた挙句捨てられ、半ばやけくそになって友達に勧められるがまま合コンに参加する。そこで意気投合したのが、ピュアな若者。勢いでホテルに誘うがこれからという時、彼が未経験なことが発覚」
他にいくつか、ネタ帳には書き込まれていた。
「明美ちゃん………。似た系統の話ばかりね。全部奥手な男性を手篭めにする展開」
「それはですね。既存の作品は経験豊富で俺様な男性に翻弄されるものばかりだから。たまには逆パターンはいかがかなと」
社長にはそう説明しておいた。
今の自分自身の状況を、反映させた作品ばっかりになってしまったのが真相だけど。
「これらはこれらで面白いんだけど。ちょっと片桐のイメージとは合わないわね」
「えっ、片桐?」
「今度片桐のソロ作品をうちで撮ることになったんだけど、彼は明美ちゃんの原作でと指定してきたの」
げっ。
今週中に新作のロケを控えているけれど、同時進行で後日発売作の構想も今のうちに練っている。
「一流商社OLのマユミは連日連夜の激務に追われ、職場と自宅との往復で恋愛ともご無沙汰。そんなある夜、接待飲み会の帰り道に年下のウブな若者を拾い……」
「ワカバは年上のエリートサラリーマンに二股を掛けられた挙句捨てられ、半ばやけくそになって友達に勧められるがまま合コンに参加する。そこで意気投合したのが、ピュアな若者。勢いでホテルに誘うがこれからという時、彼が未経験なことが発覚」
他にいくつか、ネタ帳には書き込まれていた。
「明美ちゃん………。似た系統の話ばかりね。全部奥手な男性を手篭めにする展開」
「それはですね。既存の作品は経験豊富で俺様な男性に翻弄されるものばかりだから。たまには逆パターンはいかがかなと」
社長にはそう説明しておいた。
今の自分自身の状況を、反映させた作品ばっかりになってしまったのが真相だけど。
「これらはこれらで面白いんだけど。ちょっと片桐のイメージとは合わないわね」
「えっ、片桐?」
「今度片桐のソロ作品をうちで撮ることになったんだけど、彼は明美ちゃんの原作でと指定してきたの」
げっ。