魅惑への助走
だから、彼氏の愚痴を気安く言い合えるような女友達は、今の私には存在しない。
まさか職場の人にも相談できず、誰にも打ち明けられず日々少しずつ降り積もっていた不満を、密かに心の中に溜め込んでいた。
それを……今。
出会ったばかりの葛城さんに。
私とは直接利害関係もなく、適切なアドバイスをもらえそうだと判断したからでもある。
そして年上で、私より人生経験もあり、包容力がありそうで。
じっくり私の話を聞いてくれて、最良な解決策を示してくれそうで……。
「え? 彼氏ってまだ学生なの? 年下?」
「いえ、同い年なんですが」
「なら院生?」
「違うんです。司法試験浪人中なんです」
「そっか……。一発で合格する奴って、ほんの一握りだって言うしね」
「これ以上の浪人生活は負担が大きいし、学力向上にも限界があると予想されるから、来年でしっかり合格できるよう頑張ってほしい。そのためには私が支えとなってあげたいと思っていたんですが……」
そこまで葛城さんに打ち明けて気が付いた。
もしかして私の期待と使命感が、上杉くんに重荷になっているのでは?
だから上杉くんは現実逃避する形で、勉強に身が入らなくなってしまったのでは、と。
まさか職場の人にも相談できず、誰にも打ち明けられず日々少しずつ降り積もっていた不満を、密かに心の中に溜め込んでいた。
それを……今。
出会ったばかりの葛城さんに。
私とは直接利害関係もなく、適切なアドバイスをもらえそうだと判断したからでもある。
そして年上で、私より人生経験もあり、包容力がありそうで。
じっくり私の話を聞いてくれて、最良な解決策を示してくれそうで……。
「え? 彼氏ってまだ学生なの? 年下?」
「いえ、同い年なんですが」
「なら院生?」
「違うんです。司法試験浪人中なんです」
「そっか……。一発で合格する奴って、ほんの一握りだって言うしね」
「これ以上の浪人生活は負担が大きいし、学力向上にも限界があると予想されるから、来年でしっかり合格できるよう頑張ってほしい。そのためには私が支えとなってあげたいと思っていたんですが……」
そこまで葛城さんに打ち明けて気が付いた。
もしかして私の期待と使命感が、上杉くんに重荷になっているのでは?
だから上杉くんは現実逃避する形で、勉強に身が入らなくなってしまったのでは、と。