魅惑への助走
 男性用アダルトビデオではモザイクが薄く、結合状態にある性器も判別可能だったり、水面下で流通している「裏」の作品ではモザイク自体が取り払われていたりする。


 それこそ全てがあからさま。


 一方SWEET LOVEは女性向けの爽やかな作品を標榜しており、露骨な結合部分などはモザイクで隠す。


 作品はすべて、綺麗で美しいものでなければならないのだ。


 即物的なエロシーンで興奮させるより、雰囲気やムードを味わいドキドキしてもらいたい。


 SWEET LOVEの女性用作品はそんなスタンスで製作されている。


 モザイクの奥に広がる世界は、各自想像して楽しんでもらうってことで。


 ……佐藤剣身とりらさんの絡みのシーンも同様に、モザイクで肝心な箇所は覆われていた。


 一般視聴者には本当に挿入行為が実施されているのか擬似なのか判別は付かないのだけど、私には分かる。


 佐藤剣身となった上杉くんは、撮影現場でAV女優との性行為に臨んでいる。


 もう私だけのものではなくなってしまったことを悟り、今さらながら動揺している私がいる。


 自分から別れを切り出したくせに……。
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