ねぇねぇ、聞いて。
第3章

言いたかったこと

ピンポーン


バタバタと聞こえる足音。


「はーーい!・・・・・おかえり。仁華。」


「ただいま。お母さん。」


約一ヶ月ぶりの自分の家。


リビングに入って私はソファーに荷物を置く。


「はい。麦茶でいい?」


「うん。ありがとう。」


お母さんが私の顔をじっと見る。


「本当に、声でるのね。」


「うん。出るよ。」


「もう少しでお父さん帰ってくるから。その時に話しましょ。」


「うん。」


お父さんが帰ってくるまで私は自分の部屋に来た。


自分の部屋だけど、自分の部屋じゃないみたい。


たった一ヶ月いなかっただけなのに、そう思うってことは内容の濃い一ヶ月だったっていう証拠。


「仁華ーー?お父さん帰ってきたわよー?」


「はーーーい。今行くーー。」


私は急いでリビングに向かう。


「・・・・仁華。おかえり。」


「ただいま。お父さん。」


お父さんは何も言わずに抱きしめてくれた。


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