ねぇねぇ、聞いて。
私は必死で逃げた。


そして、後ろから走って来て、やばいと思って後ろを振り向いた瞬間。


私の胸まであった髪は無残にもその場に落ちた。


怪我はしなかったけど、私はそれが何よりショックだった。


髪を切られるくらいなら、怪我をした方がましだ。



だって、髪は、・・・・・・・・・約束したから。


そしてその日、お母さんとお父さんにいじめられている事がバレた。


お母さんは私のせいだと言って泣いた。


お父さんは頭を抱えて、学校に電話した。


こんなに迷惑をかけるなんて思わなかった。


だから、これからいじめが続いても私は親に話さなかった。


いや、違う。


話したくても、話せなくなった。


髪が切られたことがショックで、私は声を出せなくなった。


ノートに声が出ないとお母さんに見せたら、即病院に連れていかれた。


ストレスだそうだ。


何か、ショックが起きて一時的に声が出なくなってしまったということらしい。


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