小さなポケット一杯の物語
病院に向かうタクシーの中で茜はそんな思いで一杯だった。
お兄ちゃんの事故の知らせを聞いたのはバイト中だったの。茜、何が起こったか分からずに動けなかった。さっきまで車の中で話してたはずなのに…。
病院の霊安室でお兄ちゃんの顔を見た時、初めて声をあげて泣いた。
訳も分からずただただ泣いてた。
しばらくして、お兄ちゃんの最後の言葉を思い出したら、また泣いちゃった。お兄ちゃんは車の中で茜にこう言ったの。

< 10 / 148 >

この作品をシェア

pagetop