同居人は国民的アイドル
私の斜め前にいた女の子たちがそんな声を上げた。
手には、「投げチューして!」と書かれた団扇。
女の子たちがよく通る声だったからか、そんな叫びが廉くんの耳にも入ったらしい。
ふと、こっちを向いた廉くんの瞳が団扇を捉える。
そして。
「ぎゃあああああ!!!!!」
何の躊躇いもなく、廉くんが唇に手を当てた。
そのまま、ふわっと流れるように投げキッスをお見舞いする。
うわぁ…………なんかすごく廉くんがアイドルに見えた。
またもや私が家とのギャップに驚いている間にも、
「ねえええ!!!今、うちらに投げチューしたよね!?れんれん!!!」
「うちらだった、確実に!!!
やばい、イケメンすぎる!!!!」