同居人は国民的アイドル
つい数分前までは遠い存在だったCoolZがいきなり目の前に現れて、シンプルに硬直している。
「はい、名前教えてもらってもいいですか?」
翔くんがそう言って、自分が持っていたマイクをラッキーガールに向けた。
いいな〜。
私も翔くんにマイクを向けられたい人生だった……
って、なんか私気持ち悪。
「あ、えっと………ミナミです」
ラッキーガール─────ミナミさんが翔くんからの質問に答える。
緊張してはいるものの、ちゃんと受け答えできるなんてすごいな。
私だったら、あんなふうにCoolZに囲まれたら絶対何も喋れない。