同居人は国民的アイドル





ふ〜ん、そういうこと。





「な、何よ」




ニヤニヤしながら由奈を見ると、ギロっと睨まれる。




でも、その顔は真っ赤で全く怖くない。




むしろ、熟したりんごみたいですっごい可愛い。




へぇ、由奈もこんな顔するんだ。





「い、言っとくけど!!
別に好きとかそういうんじゃないからねっ!?
ただちょっと、ライブに行ってからほんの少〜しだけ興味が湧いてきただけで!!
別に深い意味とか全くないからね!!」





誰も何も言ってないのに、すごい勢いで話し続ける由奈。




言えば言うほど、言い訳っぽくなることに気づいてないみたい。




素直に認めればいいのに。




「はいはい、わかったから」




未だに弁解し続ける由奈をあしらいながら、


由奈が本気でCoolZの沼にハマるのも時間の問題だろうな、

そんなことをぼんやりと考える。




< 223 / 233 >

この作品をシェア

pagetop