同居人は国民的アイドル
ふ〜ん、そういうこと。
「な、何よ」
ニヤニヤしながら由奈を見ると、ギロっと睨まれる。
でも、その顔は真っ赤で全く怖くない。
むしろ、熟したりんごみたいですっごい可愛い。
へぇ、由奈もこんな顔するんだ。
「い、言っとくけど!!
別に好きとかそういうんじゃないからねっ!?
ただちょっと、ライブに行ってからほんの少〜しだけ興味が湧いてきただけで!!
別に深い意味とか全くないからね!!」
誰も何も言ってないのに、すごい勢いで話し続ける由奈。
言えば言うほど、言い訳っぽくなることに気づいてないみたい。
素直に認めればいいのに。
「はいはい、わかったから」
未だに弁解し続ける由奈をあしらいながら、
由奈が本気でCoolZの沼にハマるのも時間の問題だろうな、
そんなことをぼんやりと考える。