同居人は国民的アイドル
…………うま。
やばい、めっちゃうまい。
「どう?美味しい?」
不安そうな顔をして尋ねてくる。だけど。
「………まあ」
なんで素直に美味いって言えないのかな。
自分が素直じゃないことは知ってたけど、ここまでとは思わなかった。
案の定、不安そうな顔のままじっと見つめられる。
それでも自分の分は全て食べて席を立った。
「ごちそーさま」
さすがに気まずく思って部屋に向かおうとした。すると。
くいっと誰かに服の裾を引っ張られた。
いや、「誰か」ってそんなの1人しかいない。