同居人は国民的アイドル
「……ただいま」
1日の仕事が終わり、まだ慣れない家のリビングのドアを開けてそう言った。
「……あ!お、おかえり」
夜ご飯を作っていたらしく、台所から声がかかる。
「えと、もうご飯できたからちょっと待っててね」
まだちょっと緊張してるっぽいけど、とりあえずギャーギャー騒がれなくてよかった。
そんなことを思いながら言われた通り椅子に座って待つ。
「ど、どうぞ」
運ばれてきた料理は2人で食べる分にはすごく量が多く、ほんとに1人で作ったのかと疑うほど美味しそうな出来栄えだった。
「口に合うといいんだけど……」
そう言いながらじっと俺と料理を見つめられる。
「いただきます」
めっちゃ見てくるからかなり食べにくかったけど、何も言わずに料理を口に運ぶ。